たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

孫の来訪と 読了『よって件のごとし』宮部みゆき

秋晴れの先日、久しぶりにお嫁ちゃんが孫2人を連れて遊びにやって来た。

じっくり会うのは8月以来。
前回チラッと会ったときにも感じたけれど、下の孫の顔も身体も引き締まってきた。伝い歩きが始まって運動量が増えたからなのだろう。

そして人見知りMAX。
わたしの顔を見るなりべそをかき泣き始め、ママにしがみつく。
知らない大人に恐怖するのは良いことだ。
上の子もそうだったなぁ

上の子は会うなり満面の笑顔、お喋りが可愛い。
一息つく間もなく、上に行きたいとねだる。
お嫁ちゃんと下の子は1階の和室でのんびりしてもらい、わたしは上のことを2階で遊ぶ。

指しゃぶりが復活、爪を噛む癖が出て来たのは、妹が産まれ、いろいろ感じることがあるのだろう。気になったが咎めず、やりたいようにやりたいことをさせた。
たまに会うおばあちゃんって、そういうもので良いと思っている。

七五三の前撮り写真を持っ来てくれた。
アルバムは息子が見せてくれていたが、フレームに入れた別のものを。
下の子のお宮参りとは別の、4人家族の写真。
こうやってひとつひとつ、家族写真が増えていくのは楽しみだね。
わたしがしてあげられなかったこと。わたしが出来なかったこと。
我が子ながら、いいなぁと思う。

動画で初めて松たか子が歌う「ありのままで」でアナ雪を見た。歌だけなので5分ほどで終わってしまうのだが、ちゃんと映画を観たいと思った。
かなり話題になっていた映画だが、ひねくれ者なので観なかったのだ。
上の子はキャラクターの名前をちゃんと知っていて教えてくれた。彼女が今一番好きなのはラプンツェルなんだって。あぁ、だから髪を長く伸ばしているのね。

夕方、「おうち帰らない」とぐずる上の子をなんとか宥めすかし、お嫁ちゃんは帰っていった。
子供の頃を思い出す。そうそう、親戚の家に遊びに行ったとき、慣れて来て楽しくなったときに帰らなくちゃならないんだよね。帰りたくないんだよねぇ
上の子も、「おうちのお風呂入らない、ばばちゃまのお風呂入る」とか、「お庭行きたい」などと言っていた。幼いながら一生懸命考え抵抗しているところがいじらしくて、きゅんきゅんしてしまった。

 

一人になった家の雨戸を閉め、夜は読書。

予約本の順番が来て、わたしの後も待っている人がいるので、先に読んでいた本を一旦置いてこちらを先に。

読了は宮部みゆきさんの『三島屋変調百物語八之続 よって件のごとし』。

百物語の聞き手、三島屋の次男坊富次郎の心根の優しさ、真っ直ぐさが、じんわりと心を癒してくれる8巻目だった。

3つの物語のうち、一番好きなのは『賽子と虻』。
語り手餅太郎が異界へ行き体験する奇妙な物語。何とか異界から戻ると、現実世界は悲惨なものになっていた。

異世界ものは『黒武御神火御殿』があるが、あれはちょっと退屈だった。物語に全然入り込めなくて距離があった。もやーっとしたまま終わった感じだが、この物語はぐいぐい引き込まれてしまった。
呪いに憑かれた姉を救うために我が身を賭して呪いに立ち向かい、異界に迷い込んでも絶望せず、その世界でよりよく生きようとする餅太郎。戻った元の世界は以前より悲惨だったけれど、きっと彼は乗り越え、再び笑える日が来るだろうと思う。

異界で彼を導いてくれる賽子、ただ一人の友達弥生の存在が良い。読んでいるわたしも勇気づけられた。
ハッピーエンドではないけれど、心温まる読後感。

『土鍋女房』は昔話に出てくるような物語。

本の題名にもなった『よって件のごとし』はゾンビもので、早く終わらないかなーと思いながら読んだ。苦しかったー
救いなのは、語り手である夫婦の仲睦まじさ。夫が妻を労り慈しむ様子にホッとする。
でもこういう話は苦手だなぁ
後味は悪くはないけど良くもなく、読み終わったのが夜遅い時間だったので、眠りにつく前に漫画を読んで口直しをした。

 

9巻目『青瓜不動』の順番が待ち遠しい。