たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

皐月朔日

熱い朝の珈琲を飲んでいる時に、今日は新月だと気づいた。
旧暦五月、皐月朔日だ。
新月の日はその名の通り、心新たになる。

こころ新たに、よし!なーんて気合いが入ったような気になっていたけれど、仕事のあれこれに忙殺され、すっかり忘れていた。

 

午後遅く、兄と母の面会へ。今回は義姉も一緒に来てくれた。

直接会えるようになって3回目の面会。
天気が良かったので外に出てみた。

車椅子にほとんど寝た状態の母を押していく。
会った時は目を閉じた状態で反応も薄かったが、段差や道路や公園の土の上を行く感覚が刺激になったのだろう、公園で兄が声かけしたら返事が返ってきた。
でも相変わらず目は閉じたままで。もしかしたら眩しさを感じていたのかな。

午前中は晴れていたけれど、夕方近くになって薄雲が広がった。
雲が良い加減に太陽の強い光を和らげてくれて、吹く風もちょうど良い。

わたし達に与えられた時間は20分で、肩や手に触れながら声をかけるが、母の反応がさっぱり。かと思うと、兄と義姉と世間話しているとふいに相づちの声が聞こえたり。母の世界は謎だ。

眠いのかな。外、気持ちいいからね。

息子家族は来れなかった。負担に思われたくないので、予定がある時は無理に合わせないでと言ってある。
次、タイミングが合って雨が降っていなければこの公園に来て、初孫ちゃんに自由に遊んでもらい、その歓声をBGMにしたら、母の感覚もこちらの世界に向くかも。

反応がなくても、眠っているように見えても、わたしたちからはそう見えるだけで、母はしっかり感じ取っているのかもしれない。

相変わらず肌艶はよく、爪の色も健康的なピンク色だった。
こちらの施設は本当に良くしてくれる。
前のグループホームは酷かったから、それだけでも今は安心だ。

 

帰宅して、仏壇に向かい父に報告する。
そのまましばらくぼんやり庭を見ていた。

夜、枕元の灯りを消した時に、今日は新月だと思い出した。
あぁだから母は眠かったのかも。