たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

並行異世界を感じる本

読書記録な記事をしばらく書けていないが、ペースに緩急はあるものの、歯磨きをするように本を読んでいる。

今読んでいるのは、坂本龍一の『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』。

今年癌でお亡くなりになった”教授”。

ファンでなくてもその名はよく知っているし、彼の奏でる音は好きだ。
でも著作を読んでみようとは思わなかった。著作があるとも知らなかった。

Xで流れてきて、題名に心を惹かれ、初めて手に取ってみた。

まだ読み始めたばかりなのだけど、坂本龍一さんのラジオを聴いているような気分になる。

こんな活動をしていたのか!とか、この人とこんな繋がりが!など、初めて知ることばかり。俄然興味が湧いてきた。今更!と自分に呆れている。同じ時代を生きていたのに、ご存命の間にもっと知っておくべきだったな。

実はちょっと敬遠している部分があった。

中学生の頃、同じクラスの仲の良い男子がYMOにハマり、彼らの音楽の素晴らしさをよく語っていた。わたしはサザンオールスターズ、桑田さんの曲と歌声にハマっていた。男子からすればサザンはくだらないコミックバンドに映ったようで、よく馬鹿にされた。

アルバムを聴いたこともないくせに!とお互いにLPを貸し借りした後は、サザンへの悪口は減ったものの、なんとなく見下したような物言いは卒業するまで続いた。

YMOは嫌いじゃなかった。むしろ好きな音楽だったけど、男子の態度が小憎らしくて、あえて距離を置いていたんだと思う。

そんな思い出があるので、坂本龍一の音楽が流れてくれば心地良い、好き、と思う反面、敬遠していたのだ。

でも今、この本と出会えた。良かったと思う。出遅れてしまったけれど。

共感するところ、ハッとするところ、まだまだ読み始めたばかりだが、読みやすさと読みにくさが混同していて時々立ち止まることもある。
読みにくさを感じるのは、カタカナ言葉の意味が分からないから。
わたしの教養がないだけなのだけど、ん?これは一体どう言う意味?とネットで調べたり。まるで小学生の読書。笑

モータリティ、アピアランスインスタレーションシュリンク、ジェントリフィケーション、クィア・コンポーザー、ノンバイナリーなど。。

NY在住、世界を股にかけて活躍していたので、ニュアンスを上手く伝える言葉として自然に出てくるのだろうけど、わたしにはちんぷんかんぷんで、”教授”のあだ名の一端を見るよう。

なんとなく始めたことがやがて大きく世界に影響を与えるようになっていったり、想いの向きや思考の深さなど、わたしとはまるで違う世界に生きた人。

同じ時代に同じ地球上で生きたのに、この本を読まなければ絶対に交わらない世界にいた人だなと思う。
だからこそとても面白く、知らない言葉を調べながらも、楽しく読んでいる。

 

今週のお題「最近読んでるもの」