たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

御神籤は「吉」

髪を切ってもらい、さっぱりした気分で店を出ると、若宮大路にはたくさんの人々が行き交い、青空が広がっていた。

整った髪で段葛を八幡さまへと歩く。

伸びたショートボブからショートになった襟足に春の風が冷たい。

段葛は八幡宮へ近づくにつれ道幅が狭くなり、両側の桜がトンネルのようになる。
うわー!綺麗だね〜!
あちこちから人々の嬉しそうな声が聞こえる。

広い参道の両側に並ぶ屋台の数も増えた。
行列ができている店もある。

手水を使い、階段を昇る。
数年前に倒れた大銀杏の子孫がすくすく育っていた。

時々YouTubeで江戸末期の日本の風景を楽しんでいるが、最近その中に鶴岡八幡宮やその参道を見つけ、画面を停止してじっくり眺めた。
参道は現在とはずいぶんと違うが、この本殿へと続く階段はそのままだった。

参拝後に御神籤を引く。
「吉」と出た。

書いてあるお言葉はこの季節に相応しい美しさで、心に桜色の春風が吹いたように感じた。内容も「大吉」ばりの目出度さで、もちろん結ばずに胸ポケットに忍ばせた。

山は若葉と山桜の淡い色に彩られ、季語の通り「山笑う」よう。

訪れている人々の表情も清々しく、笑顔も光って見える。
春ってそんな季節だね。

午後から用事があったのでそれほどのんびりもできず、さっと境内を抜け、旗上弁財天社へ。

お財布を開けたら小銭が一円玉だけで、一円玉はあまりにも失礼かなとお参りはせず、一礼をして去った。
でも帰り道、気は心だから一円玉でもお詣りしておけば良かったと軽く後悔。
わたしにはよくある、こんなこと。

上空を鳩が旋回していて、何やら祝福されているような気分になった。
きっとそれも、春のせい。

旗上弁財天から源氏池を臨む。
池の向こう側、紅い日除け傘のあるあたりは牡丹園となっていて、見頃のようだった。

あの散り始めた桜の下に寝っ転がったらさぞかし気持ちいいだろうなぁと、しばし妄想。
誰もいないのは有料エリアかつ立ち入り禁止エリア?
いちお、人が通れるようにはなっているのだけれども。

今日あたり、鎌倉はたくさんの人が訪れているだろうな。
きっと桜も満開だろう。

牡丹園は確か、4月のゴールデンウィークあたりまで楽しめたと記憶する。
都内から来た友達を案内したことがある。
次に行った時は牡丹園にも入ってみよう。

御神籤の結果に励まされ、気持ちが明るくなっている自分がいる。
暗く落ち込んでいたわけじゃないけれど、大好きな鎌倉の、しかも守護神である八幡さまににっこり笑顔でうなずかれたような、よしよしされたような気分になった。

おうち時間大好きなわたしであるけれど、やっぱり外に出て世界と触れないとね。