たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

凍てつく金曜日のヴァン・ショー

午前中こそ雪混じりの雨だったけれど、午後になると完全に雨になった金曜日。

この地は雪が珍しいのでちょっと楽しみにしていた。残念。

気温はどんどん下がっていって、朝より昼の方が寒い。
しばれるなーっていうのはどこの方言だったっけ。
まさにシバれる寒さ。

方言といえば、秋田出身の友達が教えてくれた
「どさ」
「ゆさ」
ってのを思い出した。
今夜のお風呂を想像する。最高過ぎた。

 

あまりに寒いので久しぶりにヴァン・ショーを作ろうと電車の中で決めていた。

ヴァン・ショーとはフランス語でホットワインのこと。
VIN=ワイン CHAUD=熱い
赤ワインに果物やスパイスを入れて温めたもの。

家にある伊予柑とりんご、レモンで作った。

スパイスはシナモンスティック、アニス、クローブ
砂糖は入れない。

伊予柑は半分をスライスにし、残り半分の果汁とレモン半分の果汁にりんごとスパイスを入れ、まず弱火でことこと温めホットジュースを作る。果物の甘味が引き出されたそこに、赤ワインを投入。
煮立たせないように熱々にする。

ソファで寛ぎながら作った量の1/3をゆっくり頂いた。
お腹の中からじんわりあったまる。
アルコール分を飛ばしてないので、程よく酔う。

ニュースでは東京の大雪を報じていた。
箱根では事故も数件起きていたり、バスが運休してタクシーの列に1時間以上並ぶひともいた。並んでいる人は、分かってたんですけどね、甘かった!って笑っていて、この状況をどこか楽しんでいるようにも見えた。
ま、笑うしかないよね、こうなったらね。

お風呂上がりにも1/3。
作りたてよりスパイスと果物の甘味が深まっているみたい。
赤ワインはマイブームの国産コンコードを使った。

アラジンの青い炎を眺めつつ程よい熱さのヴァン・ショーを味わって飲む。
そして鉄瓶の湯の沸る音と雨垂れをBGMに本を読んだ。

本猿(id:honzaru)さんが紹介していた『僕は珈琲』を読む前に、前作を借りてきた。

honzaru.hatenablog.com

久しぶりの片岡義男さん。
そうそう、この文章、この描き方がすっごく好きだった。今も好きだとわかった。

まだ書き続けていて新刊が出ているとは迂闊だった。
角川文庫の『and I love her』は大好きで、好きすぎて読みすぎてボロボロになり、新しいのを買おうとしたらもう売っていなかった。中古で見つけ、状態の良いそれを大切に読んでいる。

『珈琲が呼ぶ』を読んでいると、無性に美味しい珈琲が飲みたくなるのだが、夜なので我慢。
ヴァン・ショーの香りと甘さ、ほろ酔い加減が、不思議と本の世界と合わさって良い感じ。
そんな金曜日の夜。