たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

黄ばんだモレスキンと父の万年筆

自室の本棚を整理していたら黒いモレスキンを発掘した。
表紙にタグホイヤーの刻印がある。どうやら150年記念のノベルティらしい。
そうだ、タグホイヤーで働いていた友達がくれたんだった。何年前だろう。

開くと5ページほど使ってあった。わたしの字だ。
あぁあの頃かと思う。
10年近く前の自分に出会った。

ノートはページの外側3辺がうっすら黄色く変色しており、
それが何とも良い感じ。

紙質もRollbahnやEDITと違う。
心持ちざらっとした感触が温かみを感じる。

ボールペンでもゲルインクでもない、万年筆で書きたいと思った。

亡き父の机の引き出しをゴソゴソと探る。
3本の万年筆を発見。PILOT製。

そういえば、わたしも万年筆を持っていたはずなのに、いつの間にか無くしてしまった。カートリッジを装填するもの、インクをスポイトで吸入するものなど数本あったのに。

長らく放置されていた父の万年筆を湯に浸し、固まったインクを掃除した。
インクのカートリッジを入れて、ペン先を下にして1昼夜置いた。

黄ばんだモレスキンに試し書きをする。
初めはよそよそしい。
紙、ペン先、インク、そしてわたしがバラバラな感じ。
でも気の向くまま書いていたら、すっと馴染んだ瞬間があった。
そこからはもう快感。

適度な摩擦でいつもよりきれいに字がかける。
微妙な濃淡ができるのも良き。
万年筆がこんなに心地よい書き心地だったとは!

Rollbahnの手帳にも書いてみた。モレスキンもRollbahnも紙の裏にインクの裏写りがあった。筆圧も関係しているかも知れない。Rollbahnの方が裏写りが少ない。
でもまあそれも許せる範囲で、味と受け止めた。

書き心地が良いと集中できるのか、次々と思いや考えが浮かびモレスキンに記して行った。黄ばんだ紙に青いインクがいい感じ。
書き連ねていくとスッキリするし、思いがけない発想が浮かんできたりもする。
手書きで書く、という行為がやっぱり好きだ。
古いモレスキンはモーニングノートに決定。

万年筆の書き心地に目覚めてしまったわたくし。もう止められないわ。
残り2本のうち1本の万年筆にインクを装填して、持ち歩いているRollbahnの手帳にセットした。

カフェ時間が長くなりそうな予感がする。