たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

荒東風の唸りを聞きながら

雲の海に浮かぶ不二

2月1日。朝は穏やかな晴天だったが、南からの大きな高気圧の影響で少しずつ風が出始め、南→西からの暴風に変わった。
3月並の暖かさという予報が出ていたので、吾妻山公園に行き菜の花を見ながら読書でも、という心積もりをしていたのだが、止めた。
平地でこれだけの風、開けた山の上ではもっとだろう。立っていられないほどかも知れない。

ベランダで干している羽布団が飛ばされそうになっていて、慌てて布団挟みを追加した。しっかり止めておけばこの風でよく乾くだろう。
今使っている羽布団では何だか薄ら寒くて、客用のちょっと良いのを引っ張り出した。泊まり客なんてないし、宝の持ち腐れ、有効活用。

○印○品の羽布団は数年来使っており物足りなさを感じたことはなかったのにどうしたことだろう。もしかして筋肉が少なくなって寒さを感じているのかな。サボっていた筋トレ始めなきゃ。

客用の羽根布団は少し大きめで厚みもあり、少し重たい。でもこの優しい重みが暖かさと安心感を与えてくれる。

午前中は細々とした家事に勤しみ、 ドンクにパンを買いに行ったきり午後は引きこもって読書に没頭した。

強風は暴風となり、ベランダのユーカリを激しく揺らす。
ドドドドドっと風が唸り、西の端に置いたユーカリの鉢がゴンっと倒れた。
不安定な樹形なので、倒したままなるべく風の影響の少ない場所へ移した。

荒東風。
意外にも暖かい風に春の兆し。
お向かいの家の、三分ほど咲いた梅が散らなければいいなと思う。

奇しくも今読んでいるのは、『風神雷神原田マハ
夕方までに上巻を読み終え、夜の始まりには下巻に着手。
面白くて読む手が止まらない。

気ままな一人暮らし。お昼に食べたまるまる1個のチーズクッペ(食べ過ぎ?)がお腹に溜まっていたので、夕飯は作らずワインをちびちび頂きながら物語に入り込んだ。

気づけば1/3ほど残っていたボトルが空に。

近ごろはビールよりCAVAより赤ワインの気分。
大事にとっておいた井筒ワインの赤の生ぶどう酒を、2人目の孫誕生の祝杯で開けてから、井筒の赤ワインの虜になっている。

今季の生ぶどう酒は完売しているので、次期の発売を心待ちに、中口の赤のコンコードを楽しむ。
甘いお酒が苦手で、なんでも辛口を選んでいたけれど、ほんのり甘味を感じるすっきりした味わいの中口がこんなに美味しいとは!

風神雷神』は、芸術に疎いわたしでも知っている国宝「風神雷神図屏風」を描いた謎だらけの俵屋宗達の少年時代を描いた歴史小説織田信長が日本を統べようかという時代の物語で、戦国乱世の日本からルネサンスのイタリアへと舞台が移っていく。壮大なフィクションで、いたる場面で実際そうだったかも…そうだったら…なんて思いを馳せつつワクワクが止まらない。

ワインを時おり口に運びながら夢中になって読み進め、姿勢に疲れを感じたところで一旦閉じた。

いつの間にか咆哮のような風の唸りが止んでいた。

風神様は暴れるだけ暴れて、どこかへ去って行ったようだ。

時計を見たら深夜。
あと少しだが、楽しみは明日に持ち越して寝ることにした。