たわむれ日記

たわむれに いろいろ書き散らします

ひねくれもの

雨模様の金曜日。風に煽られそうになる傘のバランスを取りながら街を歩いていたら、知人に会った。

彼女とは一緒に仕事をしたこともあり、この時間この街を歩いていたら、まあ会うよねっていうシチュエーションだった。

一瞬先にわたしの方が先に気づいて、反射的に傘を傾けて避けた。傘をさしてすれ違うのには狭い道なので、そんな体で。
が、透明のビニール傘で身の隠しようもなく、彼女も気づき、にこやかに覗き込まれ、明るく『lilaちゃん!』と声をかけてきた。

もうそうなったら知らんぷりもできず、わたしも笑顔で返す。
一言二言会話して、じゃあねと別れた。

歩きながら、なんでわたしは反射的に避けたんだろうと考えてしまった。

彼女を嫌っているわけじゃない。むしろ好きだ。明るく安定していて勉強熱心。例えるなら向日葵のような人。

うーん。

彼女だけじゃない。街中で友人知人を見かけると反射的に避けてしまう。不思議な習性、いつの間にか身についた。

今書いていて、避ける理由なんて全然ないよなぁと可笑しくなってしまった。
バッタリ会ったら、昨日の彼女のように、明るく挨拶すればいいだけだし、何をわたしは恐れているんだろう。

たぶんきっと、10年ほど続いた鬱々のせいだと思う。
鬱々暗黒期の心の癖がまだ残っていて、反射的に出現するのだ。
性格悪いなー とか 根性ひん曲がってる!
って今なら自分でも分かるけれど、その当時はとにかくどろどろ暗黒だったから、全然気づかなかった。

思考の向きに気をつけろ!
って、開いた雑誌やふと耳にした会話などで何度もメッセージは来ていたのだが
うんうん、気をつけてるよ、わかってるよ、ってなってた。
ま、それが鬱々期であるが所以なのだけれど。

脱出した、快復したと思っても、こんなふうに時々現れる、ひねくれもののわたし。

ついつい、それじゃダメだー!直さないと!って
ひねくれ部分を否定して戦おうとするけれど、そうするとものすごい抵抗が心の中で起きる。ますます頑なになって、心がねじ曲がっていく。

だからもう、はいはい、ひねくれてるねーそこねーそうなっちゃうんだねーって
微笑みながらひねくれ部分を受け止めてあげると、抵抗がなくなるから面白い。

鬱々も、ひねくれものの一面も、全部わたしだ。

陰陽☯️図も、陰と陽が合わさって一つになり、陰の中に陽が、陽の中に陰がある。
わたしも同じだ。

そんなことを帰りの電車の中でつらつら考えていた。

と、不思議。

街中で知人に会わないように、会ったら嫌だ避けよう!と思っていた頑なな気持ちが、溶けてなくなっていた。

次からは自然体で。またばったり会ったら、笑顔で声をかけようと思う。